4ヶ月ほど前から、ぼくたちはみな、パンデミックという荒海へと初めて乗り出したようなものだ。以来、日々の学びを、その航海の糧にしてきたが、中でも、ぼくが羅針盤のように頼りにしていたのは、ヴァンダナ・シヴァの言葉だった。
彼女が率いる国際的な運動の拠点である「ナヴダーニャ」のブログを通じて、ヴァンダナは、コロナ危機についての論評をいち早く世界に向けて発信してきた。例えば、3月18日の記事「コロナウィルスについての生態学的考察」(英語)は、今にして思えば、歴史的な意味をもっているような気がする。
数日前、楽しみにしていた「リサージェンス&エコロジスト」誌の321(7/8月)号が届いたが、そこには、その3月18日の「考察」の縮約版ともいうべきものが掲載されている。今日はそれを紹介したい。例によって、ぼくの勝手な判断で、一部省略したり、補足したり、思い切った意訳をさせてもらったりした。 なお、写真はDVDブック『いのちの種を抱きしめて』の撮影で2012年にインドに行った時のものだ。 (辻 信一)