10月になりました。これから冬に向けて畑や暮らしのぐるりをあれこれと整えていく時期。
最近、およそ一年間野積みにしていた薪を小屋に運んでいたら、「土」がたくさんできていました。しかも、地面にではなく、薪と薪の隙間に5mmほどコロコロと団粒化した黒々した土。
そしてそこにはダンゴムシやムカデ、コクワガタなどの昆虫と色とりどりのキノコや菌糸。まるでミニチュア版「風の谷のナウシカ」の世界です。
暗くて、湿気があり、有機物の豊かな環境で土壌がどのように出来上がっていくのか、暮らしの片隅のこんな小さな世界からでも見えてきます。
だから、森には高い木が必要だし、畑や町の地面も緑に覆われていたほうがいい。
そこで、大小さまざまな生きものが生まれ、食べ、食べられ、排泄し、死んで、朽ちてゆく。その結晶が土となり、そこからまた新たな生命が泉のように湧いてくる。
私たちもヒトが人でありながら、しかも彼らと同じ生きものであるということを忘れずに暮らしていくことで、土を育てるこの働きにすぐにでも参加することができます。
野菜の切りクズや生ゴミを堆肥にしたり、公園や街路樹や神社の落ち葉、道端や空き地の雑草を庭や家庭菜園の土が露わになっている部分を保護するのに利用してみれば、土が息づき、どんどん柔らかく黒々としてくるのに気がつくことでしょう。
可能であれば大地の再生
や地球守
の環境再生ワークショップに参加してみるのもいいかもしれません。
そうすることで、私たちの身の回りにある、無視されたり、邪魔者にさえ扱われているもの(雑草、雑木、竹藪、落ち葉、虫や動物、排泄物など)が実は自然界から豊富にもたらされる恵みだと気づき、それらをいただき、いかすことが即ち環境に対するケアだということに気がつきます。
また環境をケアすることは自分自身をケアし、心身を充実させてくれる気持ちのよい機会となるでしょう。
そのようないのちの役割、ケアの連鎖を淡々とこなしている生きものの暮らしのなかに、たくさんのヒントが隠されています。
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